糖尿病性神経障害

足の裏がほてる・手足がしびれる・じんじんする・冷感・温度が熱いかどうかわかりにくくなる・傷があるのに痛みがわかりにくい・足を触ってもわかりにくい・こむら返り・起立性低血圧・立ちくらみ・自律神経障害・排尿障害・勃起障害などの症状を起こします。
進行するといつも砂利の上を歩いているような感じになります。
指先のしびれが出ることもありますが、必ず足から始まります。
通常左右対称におきます。
手のみの場合は頚椎症や手根管症候群、肘部管症候群を疑います。
頚椎症の場合は通常、首の痛みを伴います。
手根管症候群は手首の場所で正中神経が圧迫されて起きますが、糖尿病で起こることもあります。

こむら返りには入浴後のヒフク筋(アキレス腱の付いている筋肉)のストレッチ運動が効果があります。
タウリンも効きます。
眠前に筋弛緩剤や安定剤を投与することもあります。

消化器症状も良く見られる症状です。
消化管の運動が低下すると嚥下障害や胃液の逆流による食道炎・胃の痛みやもたれが出現し、腸の動きが悪くなると便秘が多くなったり、便秘・下痢を繰り返す症状がみられます。

立ちくらみは急に体を動かしてもふつうは脳への血液が十分に供給されるように、自律神経によって調節されていますが、この調節が糖尿病性の自律神経障害により不十分になり、急激な体位変換に自律神経が十分に働かず心臓が体位変換に対応できなくて起きてしまいます。
腕を振ったりしてから起きあがったり、ゆっくりと動作するように心がけ、歩行や水泳などの運動療法が効果があります。

もともと糖尿病では小血管の血流障害により傷が治りにくいのですが、神経障害による知覚鈍麻も重なり傷があっても気にならず手当が遅れてしまい、皮膚潰瘍・壊疽が出現する事があります。
抗生物質や血液の流れを改善する薬などなどを用い治療しますが、場合によって切断が必要になることがあります(芸能人ではM田H雄氏が有名)。
普段からとくに足の清潔をこころがけましょう。
足裏の感覚がなくなると傷ができても気がつかず、化膿し壊疽になることもあります。
日本人は帰宅すると靴を脱ぐし,毎日入浴したり、欧米人に比し清潔なため下肢の切断まで至る例は少ないのですが、今後増加することが予想されています。
感覚が無くなってきたらよく足を見るようにして下さい。

糖尿病性神経障害の治療は、やはり、なによりも血糖のコントロールです。
その上で、作用機序の違いを考えながら下記のような薬を用います。
神経細胞の代謝を正常化することで神経障害を改善する薬に、ビタミンB群(とくにB12:商品名メチコバール)、アルドース還元酵素阻害剤(商品名キネダック:1日3回毎食前:糖尿病コントロール不良例で罹病期間が10年以下の場合に有効)があります。
また、神経細胞の周囲にある細小血管を含め全身の細小血管の血液の流れをよくすることで神経障害を改善する薬に、抗血小板剤(商品名バファリン81mg、プレタール、パナルジンなど)や血管拡張薬(リプル、パルクス、ドルナー、オパルモンなど)があります。
また、対症療法として痛みを軽減する消炎鎮痛剤(商品名ロキソニン、ポンタール、ボルタレン、ノイロトロピンなど:胃潰瘍注意)や、1種の麻酔類似の鎮静・鎮痛作用を有する薬として、抗不整脈薬のメキシレチン(商品名メキシチール)や抗痙攣剤(商品名アレビアチン、テグレトールなど)も用いられます。

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